翻訳屋佐吉の生活と意見関東を離れ、北陸に古民家を購入したとある翻訳屋の田舎暮らし事始めと日々のつれづれ。 

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思い出の街 ― さきちい散歩 3

2012/10/05[金]《 散歩・ポタリング 》
 今日でさいたまに戻る。なので、迎えに来た細君と老母と3人で、栃木市の中心街に車で出かけ、佐吉の母校(高校)の周辺を歩いてみた。

 栃木市を紹介するとき必ずと云っていいほど使われるのが、市街を流れる巴波川(うずまがわ)周辺の風景だ。この辺りには蔵造りの古い家が並んでいて往時を偲ばせる。近年、観光客を当て込んで道路や橋が小ぎれいに整備され、遊覧船が行き来するようになり、一方で、映画やドラマのロケの誘致にも積極的で、つい最近も日テレの「ゴーストママ捜査線」というドラマの撮影がここで行われた。佐吉はTVでたまたまそれを見て、以来ちょっと気になっていた。そこは、佐吉の高校時代の通学路でもあった。

巴波川と塚田歴史伝説館
佐吉の高校時代の通学路、巴波川と塚田歴史伝説館

 佐吉にとっては数年ぶり、いや十数年ぶりになるだろうか。昔を懐かしむというより、馴染み深い風景がその後どんなふうに変わったのか見てみたい、という気持ちが強かった。細君も以前から一度行ってみたいと云っていたし、老母も市の目抜き通りこそよく知っているが、この辺りを歩いたことはなかったはずだ。隣県に住んでいてさえ何年も立ち寄ったことがなかったのだから、正式に高岡に引っ越したら、次の機会は何年(何十年?)先になるかわからない。思い立ったが吉日、とばかりに話はすんなり決まった。

 川の近くの駐車場に車を駐め、対岸に塚田歴史伝説館を眺めながら母校まで歩いてみた。休日には観光客で賑わうであろう川沿いの通りも、平日は静かなものだ。観光客どころか地元の人の姿さえ疎らだ。むしろ、佐吉が通っていた頃のほうが活気があったかもしれない。TVやネットで見る映像や写真は、小洒落た石畳の道と江戸の風情を残す絵になる建物だけを上手く切り取ってみせるが、そのすぐ隣では、昭和の面影を留めるだいぶくたびれた家々が肩を寄せ合うように並んでいる。佐吉には、そんなちぐはぐな風景がかえって懐かしかった。

 康文がのぞいてみたいと云うので横山郷土館に立ち寄る。横山郷土館は、明治期に銀行と麻問屋を営んでいた豪商横山家の邸宅と庭園を公開したもので、佐吉の母校からは目と鼻の先だ。もちろん高校時代はしょっちゅうその辺りをうろうろしていたわけだが、実は佐吉も入館するのはこれが初めて。館内には、当時の麻問屋の帳場と銀行の事務所が再現してあるほか、さまざまな時代の美術品や陶器、日用品などが展示されていて、いずれもなかなか興味深い。建物の裏手にはきれいに整備された庭園と小さな洋館があり、歩いて見て回ることもできるし、庭園を眺めながら座敷で食事をとることもできる。

 横山郷土館は展示物にも庭園を含めたその佇まいにも趣があるが、正直なところ、この内容で入館料500円はやや割高に思える。ところがこれが、館内の甘味処(お食事処)で食事をとると俄然お得感が増す。食事をすると入館料がタダになるのだ。メニューは決して豊富ではないが、料理や甘味の値段はいずれもリーズナブルだ。佐吉たちはとり五目釜飯を注文した。十分美味かったし、何より庭園を眺めながらの食事はすこぶる気分がよかった。たまたまその間はほかの客がいなかったので、いちばん眺めのよい席で庭園の景色と静けさを独り……というか3人占めした。座敷は庭園に向かって完全に開放されているので、蚊取り線香がいくつも焚いてあってなお何箇所も蚊に刺されたが、考えようによってはそれも一興かもしれない。

巴波川の鯉と鴨たち
川辺に佇んでいると、餌がもらえると思うのか、最初に鯉が、次いで鴨が集まってくる

 佐吉の母校は、周囲の垣根が鉄製のフェンスに変わっていたのを除けば、外観は昔とほとんど変わっていなかった。構内にいくつか歴史的建造物があるので、あまり大きな変更は加えられないのだろう。ただし、学校の周囲の景観はずいぶん変わっていた。佐吉が通っていた頃には、学校に付き物の文房具店や駄菓子屋が近くにあったのだが、いずれもなくなっていた。駅に向かう道の途中の商店街も寂れていたし、かつて駅周辺にあった大型商業施設は郊外に中心を移している。今の生徒たちは学校帰りにどこに寄り道しているんだろう、と、ふと寂しさのようなものを覚えた。もっとも今の子たちにしてみれば、そんなおっさんの身勝手な感傷などきっと大きなお世話だろう。彼らは彼らで、佐吉の知らない場所で今風に遊んでいるに違いない。

 その後、以前よく行った喫茶店で珈琲を飲んで帰路についた。昼過ぎに出かけて、実家に戻る頃には日が暮れかかっていた。気がつけばだいぶ日も短くなってきた。夜になってさいたまのマンションに帰還した。
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2012/10/05 23:58 | Comment (0) | Site Map | Home | Page Top
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