翻訳屋佐吉の生活と意見関東を離れ、北陸に古民家を購入したとある翻訳屋の田舎暮らし事始めと日々のつれづれ。 

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高岡  さいたま  栃木  佐吉んち  

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くらきよりくらき道にぞ入りぬべき

2012/09/06[木]《 日記 》
《ここまでのあらすじ》

 佐吉は、某電機メーカーで機械設計と社内翻訳を経験したのち、2010年にフリーランス翻訳者に転身した。専門は電気・機械。それに加えてIT、化学、建築、土木などの案件を扱っている。また、フリーでの仕事を始めたのと同時期に家探しを始め、翌2011年、細君康文(生け花の雅号兼ハンドルネーム。「こうぶん」と読む)の故郷である富山県高岡市に古民家を購入した。以来、埼玉県さいたま市のマンションと高岡を往復しつつ、家のリフォームと新しい生活のための準備を進めてきた。

 2012年初夏。リフォームがひと通り完了し、新しい佐吉んちはようやく人が住める状態になった。ちなみに、それまで高岡ではずっと細君の実家に寝泊まりしていた。佐吉と康文は、雑事を片付けるため、そこで一旦さいたまに戻り、そのまま関東でこの夏を過ごし、一昨日、2ヶ月半ぶりにまた高岡を訪れた。関東と同様、北陸でも暑い日が続いていたが、秋の気配は日々確実にその色を濃くしていた。
 その日、さいたまを出たのは昼過ぎだった。車は康文が運転し、佐吉は助手席でノートPCを開いていた。仕事を2件抱えていたので、移動中に少しでも進めておきたかったのだ。とは云え、助手席での作業はすこぶる効率が悪い(後部座席は荷物で埋まっている)。約7時間の移動中、作業ができたのは正味でせいぜい1、2時間にすぎなかった。おまけに、ノートPCの画面は小さく、操作性は悪く、ネットへの接続は不安定。結局、車中での作業は気休め程度にしかならなかった。日が傾き始め、モニターが見づらくなる頃には、佐吉は早々に見切りをつけ、ノートを閉じたのだった。

 上越JCTを過ぎて上信越道から北陸道に入る頃に日が沈んだ。車窓を流れる風景が見る見るうちに暗くなってゆく。右手には落日に赤く染まる日本海。左手には思わず吸い込まれそうな深い闇が広がっていた。街灯や家の窓から漏れる灯りが、ぽつんぽつんと星のように瞬いている。ふと、「こういう土地で暮らすのはどんな気分だろう?」と思う。

 さいたま市のマンションは、第二産業道路と呼ばれる県内有数の主要道沿い、それも大きな交差点の近くなので、夜中でも煌々と明かりが灯り、決して真っ暗になることはない。また、栃木市の佐吉の実家も、田舎町ではあるが市街に位置し、しかもこちらは交差点にもろに面しているので、実家ではカーテンの隙間から漏れる赤や黄色や緑の光を眺めながら眠りにつくのが常だった。きっとその所為だろう、いつの頃からか佐吉は真っ暗な夜に憧れるようになった。

 新しい佐吉の家は市街地を離れた田園地帯にある。だが、実はまだ夜のそのあたりの様子を見たことがない。街中より暗いのは確かだろうが、果たしてどんな具合なのか……。

 そんなことを考えているうちに、康文の実家に着いた。ずっと運転していた康文はもちろんだが、大して活動していなかった佐吉もなぜかひどく疲労感を覚え、その日は早々に就寝した。

 そして翌日、つまり昨日、新しい佐吉んちに行ってみた。さいたまに戻る前に康文が実験的に植えた家庭菜園の野菜を、義母が時折収穫に来てはいたが、家は実質2ヶ月半放置したまま。どこかに新たな不具合が生じていないか、誰かにいたずらなどされていないか、と、微かな不安を覚えながらかの地に赴く。と、久しぶりに見る新しい佐吉んちは、ものの見事に密林と化していた…… (◎_◎)

(つづく)

※ タイトルはもちろん和泉式部の有名な歌から。個人的には昔から好きな歌ですが、本文の内容とは特に深いつながりはありません。
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2012/09/06 12:40 | Comment (0) | Site Map | Home | Page Top
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