翻訳屋佐吉の生活と意見関東を離れ、北陸に古民家を購入したとある翻訳屋の田舎暮らし事始めと日々のつれづれ。 

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愉しからずや トライアル

2012/06/19[火]《 翻訳屋稼業 》
 佐吉んち@高岡に冷蔵庫と洗濯機が搬入されるのを見届けて、先週の土曜、雨の中を一旦さいたまへ帰還。近くこっちで細君康文が出展する生け花展があるのだ。

 去年の秋からずっとさいたまのマンションと高岡の細君の実家とを往復しつつ、むこうで暮らす準備を進めてきた佐吉たちだったが、家のリフォームもこれでひと通り完了。次に高岡へ行くときには実際にそこで暮らし始めることになる。もっとも、それは業者に任せていた作業が完了し、ひとまず人が住める状態になったというだけのことであって、そこを快適な暮らしの場にしていくためには、まだまだやるべきことが山ほどある。加えて、さいたまの今の自宅や栃木の実家に置いてある荷物の整理や引越しの手配、マンションの処分など、こっちでやるべきこともたくさんある。さいたまに戻ったからと云って、さほどのんびりできるわけではない。

 で、例のトライアル案件の話の続き。送られてきたトライアル原稿と合わせて、クライアントがお気に召さなかったというボツ訳文を眺めてみる。

 ボツ訳文はトライアルの対象になっているのとは別の部分の訳文で、原稿のそれに相当する部分は資料に含まれていなかった。にもかかわらず、ボツ訳文を読んでみると、原稿が、その細かい云い回しに至るまで透けて見えるようだった。おそらく一言一句もらさず原文に忠実に訳した逐語訳だ。文法上の誤りこそ見当たらないが、英文としてはひどくたもたしていて読みづらい。たしかに上手い訳ではない。が、箸にも棒にもかからないというわけでもない。クライアントによってはこれで良しとするケースもあるかもしれない。いや、むしろこうした杓子定規な逐語訳を好むクライアントだってあるかもしれない。また、佐吉自身、毎度毎度洗練された訳文が作れているわけではない。他人様の訳をとやかく云えた義理ではない。

 合わせてクライアントのWebサイトものぞいてみた。その英語版を眺めてみると、なんというか、だいぶ奔放な英文が載っていた。一見してネイティブが書いたことがわかるナチュラルな英文なのだが、日本語版とは必ずしも一対一に対応していない。日本語版の英訳をさらにネイティブがリライトしたものだろう、と佐吉は想像した。

 さて、どうしたものか。サイトに見られたようなこなれた英文がクライアントの好みなのはわかった。が、だからと云って、あまり作り込みすぎてはかえって印象を悪くするかもしれない。

 結局、原文の意味を損なわない範囲で、原文の云い回しにとらわれず、できるだけ自然な英文に仕上げることが肝要と判断した。普段より慎重に訳し、普段以上に入念に推敲を重ねる。そうしてなんとか自分なりにベストと思える訳文を作り上げ、納品した。

 もっとも、こんなふうに云うと、「ならば普段の訳文はベストの訳文じゃないのか?」と訝る向きもあるかもしれない。率直に云えば、イエスだ。訳文など推敲すればキリがない。どこまででもいじくり回すことができる。しかし、もちろんそれぞれの案件には納期がある。どこかで見切りをつけて訳文を納品しなければならない。いきおい、かなり理想に近いところまで仕上げられるケースもあれば、満足のいかないまま納品してしまうケースもある。そして、だからこそ、こうしてたまにとことん推敲を重ねることができるトライアル案件が来ると、心弾むのである。
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2012/06/19 23:47 | Comment (0) | Site Map | Home | Page Top
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