翻訳屋佐吉の生活と意見関東を離れ、北陸に古民家を購入したとある翻訳屋の田舎暮らし事始めと日々のつれづれ。 

この記事に含まれるタグ :
翻訳会社  修羅場  

スポンサーサイト

--/--/--[--]《 スポンサー広告 》
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

http://countrytranslator.blog.fc2.com/?overture" target="_new edit

--/--/-- --:-- | Comment (-) | Site Map | Home | Page Top

翻訳屋、地雷を踏むの巻

2012/05/30[水]《 翻訳屋稼業 》
 さいたまに戻って今日で10日。その間、康文は山ほど用事があって毎日のように外を飛び回っていたが、佐吉が外出したのは、昨日野暮用で浦和へ行って、その後東大宮の温々(ぬくぬく)というカフェで食事をしただけ。それ以外は家に籠ってひたすらパソコンに向かっていた。

 先日の英訳案件には実に閉口した。原稿ベースで3万字弱の中規模の案件。流体を扱う生産設備に関する文書で、最近の佐吉にとってはすっかりお馴染みのジャンル。しかし、今回はそれに「日英併記で」という注文がついていたのである。

 こうした形の依頼はこれまでほとんど記憶にない。あったとしてもごくごく小さな案件だったろう。そもそも、文書の編集作業は翻訳者の仕事ではない。請け負うとすれば、それは飽くまでサービスとして、翻訳作業のおまけの範囲内で、だ。当然今回も、「編集作業はお断りします」と突っぱねるなり「ベタ打ちで良ければ」と条件を出すなりすることもできた。が、実を云うと、その前の案件で佐吉は、朝イチの締切りに間に合わず、納品が午後になってしまうという失態を演じていたのである。そのことが負い目となって、強くは云いにくかった。加えて原稿をざっとみた限りでは、併記のための作業量もさほど多くはないように思えたのだった。

 しかし、それは大きな見込み違いだった。原稿は Word と Excel で合わせて5ファイル。訳出には Trados を使い、(併記ではない)訳文を生成したのち、そこから手作業で原稿ファイルに訳文を一つずつコピペする、という手順を踏んだのだが、その編集作業が予想をはるかに上回る修羅場だった。

 まず、Word ファイルの原稿は書式がめちゃくちゃ。インデント(字下げ)にちっとも一貫性がなく、ところどころインデントではなくスペースを使って行頭のつじつまを合わせているところさえある。ほとんど行き当たりばったりと云っても過言ではない。いきおい、そこに訳文を挿入していくと、そのたびに、ぱっと見にはさほど崩れていないように見えなくもないレイアウトが、ガラガラと音を立てて崩れてゆくのである。

 これが、併記ではなく別ファイルで訳文を編集するのであれば、書式などいくらでも整えてやることができる。そのための手間も大した負担ではない。というより、書式を整えたほうがかえって作業が楽だ。それくらいのサービスならいくらでもやってやる。だが、原稿をベースにした日英併記となると、そのめちゃくちゃな体裁をあえて維持しなければならず、そのための作業には想像を絶するものがあった。

 また、Excel も Excel で一筋縄ではいかなかった。多少なりとも作業量を減らす方法はないかと無い知恵を絞ってみたのだが、どうにも上手くいかず、結局これも一つひとつのセルに手作業で訳文をコピペするしかなかった。あるいは、気の利いたマクロでも作れれば多少なりとも作業量を減らすことができたのかもしれないが、生憎佐吉はそこまでマクロに詳しくはなく、上手い手順がすぐには思い浮かばない。また、仮にマクロが作れたとしても、その作成に要したであろう時間を考えれば、それがトータルで作業効率の向上につながったかどうかは怪しい。

 そんなわけで、日英併記のための編集作業にほぼ丸2日を費やし、納期を1日延長してもらってどうにか事なきを得た。と同時に、もう2度と日英併記の仕事は受けない、と佐吉は固く心に誓ったのであった。

 ちなみに、今はその次の次の案件に取り組んでいる。今度の原稿は手書き修正入りのスキャン画像PDFだ。翻訳会社の嫌がらせか、はたまた何か星めぐりの悪い時期にでも入ったのか。やれやれ、後者であれば早く抜けだしたいものだ(溜息)。なお、佐吉と康文は明後日からまた高岡である。
関連記事

この記事に含まれるタグ : 翻訳会社 修羅場 

http://countrytranslator.blog.fc2.com/blog-entry-54.html edit

2012/05/30 20:04 | Comment (0) | Site Map | Home | Page Top
翻訳者ネットワーク「アメリア」

Comments

コメントを投稿する 記事 : 翻訳屋、地雷を踏むの巻


  設定するとあとで修正や削除ができます。(任意)
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。