翻訳屋佐吉の生活と意見関東を離れ、北陸に古民家を購入したとある翻訳屋の田舎暮らし事始めと日々のつれづれ。 

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富山  浄土真宗  

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義父の遺産

2012/02/20[月]《 日記 》
 富山は、福井、石川と並んで「真宗王国」とも呼ばれる浄土真宗の盛んな土地である。細君の実家も、ご多分に漏れず浄土真宗の檀家(浄土真宗では「門徒」と呼ぶ)だ。ちなみに、映画『おくりびと』の元ネタになった『納棺夫日記』の著者青木新門氏も富山の人で、同書の圧巻を成す氏の哲学的論考は、浄土真宗の開祖である親鸞の思想に触発されたものである。

 昨日は義父の命日だった。浄土真宗には、月忌法要(がっきほうよう)と云って、毎年の命日はもちろん、月々の命日に当たる日にもお坊さんにお経をあげてもらうしきたりがある。佐吉もこれまでに何度か同席しているので大体勝手はわかっている。しかし今回に限っては、お坊さんがひどく忙しかったらしく、いつもよりだいぶ来訪が遅れ、ちょっとやきもきした。

 義父は生前、県の福祉の仕事に就いていた。謹厳実直で温厚な人だった。幼い頃に父を亡くし、それゆえ父親というものを知らずに育った佐吉には、最初こそやや近寄りがたく感じられるところもあったが、次第に実の父親のようにさえ思えてきて、どこか面映く感じられたものだった。

 義父は、若い頃、同人誌に小説を発表していた。それが北日本文学賞に入選したこともあった。その後、要職に就くようになってからは執筆から遠ざかっていたが、定年後は再びじっくり創作に勤しむつもりでいたようだ。義父が病に倒れたのはそんな矢先だった。そのことを思うと、なおさら早すぎる死が悔やまれる。

氷見文学 夕食後、そんな話をしていると、細君が義父の書斎から1冊の本を引っ張り出してきた。それは簡素な装丁の古い同人誌だった。めくってみると、大学を舞台にした青春小説と思しき短編に、義父の名が付されていた。佐吉の知る義父のイメージとはすぐには結びつかない。奥付からすると30歳台に書かれたものらしい。

 振り返ってみれば、いずれは読んでみようとずっと思っていながら、佐吉はまだ一度も義父の作品を読んだことがなかった。義父はいったいどんな作品を書いていたのだろう。にわかに関心が募る。折角だから、この機会に読んでみようと思う。それが、義父への無沙汰を詫びることにもなれば……と考えるのは、ちょっと都合が良すぎるだろうか(笑)。
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2012/02/20 23:59 | Comment (0) | Site Map | Home | Page Top
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