翻訳屋佐吉の生活と意見関東を離れ、北陸に古民家を購入したとある翻訳屋の田舎暮らし事始めと日々のつれづれ。 

この記事に含まれるタグ :
流星群  

スポンサーサイト

--/--/--[--]《 スポンサー広告 》
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

http://countrytranslator.blog.fc2.com/?overture" target="_new edit

--/--/-- --:-- | Comment (-) | Site Map | Home | Page Top

星の降る夜

2013/08/14[水]《 日記 》
 昨夜の話。

 深夜、流星を見に外へ出た。ペルセウス座流星群の極大日は昨日だったが、生憎、昨夜の高岡は空全体がぼうっと煙っていてほとんど星を見ることができなかった。しかし、今夜は打って変わって絶好の観測日和……とまではいかないがだいぶ条件が良かった。見に行く価値は充分にあった。さいたまにいた頃は、星を見ようと思えば車でそれなりの場所へ出かけなければならなかったが、高岡の佐吉んちでは庭からでも見ることができるし、さらに100メートルも歩けば、街灯の光もほとんど届かない天体観測に打ってつけの場所がいくらでもある。佐吉は、携帯用の蚊取り線香と懐中電灯を手に農道を歩いてゆき、できるだけ光が視界に入らない場所を選んで田んぼ道にじかに腰を降ろし、夜空を見上げた。

 小一時間ほど星空を眺め、6、7個の流星を見た。流星痕が残るほど明るいものは2個だけだったが、それでも楽しい時間が過ごせた。夏の大三角形が綺麗だった。ご多分に漏れず富山でも厳しい暑さが続いているが、さすがにこの時間になると稲田を吹きわたる風も涼しく、心地良かった。

 それにしても、いま、TVやネットで「ペルセウス座流星群」なんていう言葉が普通に使われているのを見聞きすると、佐吉は隔世の感を禁じ得ない。しし座流星群の大量出現が期待された1998年、あちこちでにわかにお祭り騒ぎが起こり、以来、「流星群」はすっかり人口に膾炙し、メジャーな流星群は一般のニュースでも取り上げられるようになった。しかし、それまでは、流星群と云って話が通じるのはごく少数の天文ファンだけだった。彼らの間でこそ流星群は「天体観測の入門編」くらいに捉えられていたが、天文に関心のない友人に「今日は◯◯座流星群の極大日だ」などと話しても、「何それ?」なんて反応が返ってくるならまだ良い方で、超常現象か何かと勘違いし、「宇宙のお友だちでもやってくるの?」、「アニメの見すぎなんじゃねえの?」、「怪しい宗教でもやってんのか?」などと冷笑する者も珍しくなかった。

 佐吉がはじめて流星群を見たのは中学2年のときだった。12月、新聞の片隅にふたご座流星群の極大日を報せる小さな記事を見つけ、「本当に流れ星が見られるのだろうか」と半ば疑念を抱きつつも期待に胸をふくらませ、(栃木の)実家からちょっと離れた畑の畦道に行ってそれを見た。ひとつ見るたびに興奮し、(声は出さなかったが)拳を振りあげ、文字どおり飛び上がって喜んだ。加えて、その夜、佐吉少年は火球を見た。発光弾と見紛うばかりのまばゆい光の玉が、不意に北の地平線から南の地平線へ(!)頭上をすーっと流れていったのだ。UFOか? 隕石か? それとも、人工衛星が落下してきたらこんなふうに見えるのだろうか??? いったい何が起こったのか、少年はわけがわからなかった。それを「火球」と呼ぶのだと知ったのはしばらく経ってからのことだった。その「光景」は30年以上経った今でも鮮明に目に焼き付いている。思えば、そのことが佐吉にとって決定的な体験になった。その後も佐吉は「入門編」にとどまったままで、お世辞にも熱心な天文ファンとは云えないが、それでもメジャーな流星群が近づくと心が騒ぐ。

 当時、まだインターネットなどという便利な代物はなく、ピーク時刻やそのときの月の位置などを知るための情報源は天文雑誌や理科年表がせいぜいだった。勇んで出かけていってもろくに見ることができず、意気消沈して帰ってきたこともあった(というより、そういうことのほうが多かった)。「流れ星? そんなもの北海道に行けばいつでも見られるよ ( ̄ー ̄)」とうそぶくやや虚言癖のあるメンドくさい先輩もいた。暗闇でひとり夜空を眺めているといろんな記憶が蘇ってくる。そうして、最後には必ずあの日の火球のことを思い出す。そして、決まって『あの頃の未来に僕らは立っているのかな……』と、ひと昔前の流行り歌のフレーズを思い浮かべる佐吉なのである(笑)。
関連記事

この記事に含まれるタグ : 流星群 

http://countrytranslator.blog.fc2.com/blog-entry-116.html edit

2013/08/14 19:41 | Comment (0) | Site Map | Home | Page Top
前の記事 : 陣中見舞い
次の記事 : あー夏休み
翻訳者ネットワーク「アメリア」

Comments

コメントを投稿する 記事 : 星の降る夜


  設定するとあとで修正や削除ができます。(任意)
前の記事 : 陣中見舞い
次の記事 : あー夏休み
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。